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『男女7人夏物語』 [TVドラマ]

「男女7人夏物語」(1986)★★★★☆80点
演出: 生野慈朗、清弘誠
脚本: 鎌田敏夫
プロデューサー: 武敬子、山本典助
音楽: SHAKATAK
主題歌: 石井明美「CHA-CHA-CHA」
出演:
 明石家さんま(今井良介)
 大竹しのぶ(神崎桃子)
 池上季実子(浅倉千明)
 奥田瑛二(野上君章)
 賀来千香子(沢田香里)
 片岡鶴太郎(大沢貞九郎)
 小川みどり(椎名美和子)
 大沢逸美(浅倉紀子、千明の妹)
 加賀まりこ(今井千歳、良介の義姉)
 早崎文司(神崎徳治、桃子の父)
 井原千寿子(出口明美、良介の元恋人
制作・ジャンル: TBS・テレパック/ドラマ恋愛/54分×10回

男女7人夏物語 DVD-BOX








80年代、
『金曜日の妻たちへ』で不倫ブームを巻き起こし
本作でトレンディドラマに先鞭をつけた鎌田敏夫。
現在制作される恋愛ドラマの基本的なスタイルを築いた。
周知であろうが、さんまと大竹を結びつけた作品である。

バブル全盛期を背景にドラマは展開していく。
良介のツアーコンダクターや千明のディーラーといった職業、
出演俳優陣の髪型、千明のメガネなどのファッションが
バブル色を色濃く反映している。
オープニングで流れる映像には、
竣工間もない有楽町マリオンのからくり時計が出てくる。
1年前、2大テナントの一つである西武の撤退は
時代の経過を感じさせて感慨深い。

高層マンションに住んでいる良介が
コインランドリー洗濯に行くのは無理がある設定。
桃子と良介の接点を増やすための方便だから理解はするが。

劇中、良介が香港から千明に絵葉書を送ってよこす。
今はEメールが普通の時代。
相手を思って絵葉書を選び、自分の筆で思いを綴る。
また、万人が携帯電話を持つ現代。
電話機を移動し、コードを引っぱる往時が偲ばれる。
電話の向こうで、ガチャという電話の切れる音が懐かしい。
アナログの良さを再認識できる良い機会となった。

恋愛を扱っていること、
さんまや鶴太郎といったお笑い芸人を先駆的に起用したこと、
そして何よりも
主要キャストの性格付けを明確にした鎌田脚本が
本作を成功に導き、最高視聴率32%を記録した一番の要因である。

さんま・しのぶの掛け合いは、明らかにアドリブ満載で
夫婦漫才さながらの面白さ。
本人達も本気で笑ったり吹いたりするシーンが随所に見受けられる。

主役は言うまでもなく、良介と桃子のカップルだが
物語の軸になるキーパースンは池上季実子演じる千明である。
池上は当時27歳。
美しいのは勿論だが、若い頃から妖艶な色気がある。
最近こういった色香を放つ若手女優がいないのが淋しい。

物語のラスト、桃子は
マイケル・ジャクソンのツアーに同行する為渡米する。
そのMJも今や故人。
少しわびしい気分にもなった。
 
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『秋刀魚の味』 [邦画(サ行)]

「秋刀魚の味」(1962)★★★★☆80点
監督・脚本: 小津安二郎
製作: 山内静夫
脚本: 野田高梧
撮影: 厚田雄春
美術: 浜田辰雄
照明: 石渡健蔵
音楽: 斎藤高順
録音: 妹尾芳三郎
出演:
 笠智衆(平山周平)
 岩下志麻(平山路子、周平の娘)
 佐田啓二(平山幸一、路子の兄)
 三上真一郎(平山和夫、路子の弟)
 岡田茉莉子(平山秋子、幸一の妻)
 中村伸郎(河合秀三)
 三宅邦子(河合のぶ子、秀三の妻)
 北龍二(堀江晋)
 環三千世(堀江タマ子、晋の後妻)
 東野英治郎(佐久間清太郎、平山の恩師)
 杉村春子(佐久間伴子、清太郎の娘)
 吉田輝雄(三浦豊、幸一の会社の同僚)
 加東大介(坂本芳太郎、自動車修理店主)
 岸田今日子(バー "かおる" のマダム)
 高橋とよ("若松" の女将)
 菅原通済(菅井、 平山の同級生)
 織田政雄(渡辺、 平山の同級生)
 緒方安雄(緒方 、 平山の同級生)
 浅茅しのぶ(佐々木洋子)
 牧紀子(田口房子)
 須賀不二男(酔客A)
製作・配給・ジャンル: 松竹/松竹/ドラマ/113分

秋刀魚の味 [DVD]








ヒョウタンとあだ名されていた恩師を
40年ぶりのクラス会に招くも
師はいまやラーメン屋に落ちぶれている。
おまけに
父の世話をして行かず後家となった娘は
不器量で愛想の一つも言えない。
酔いつぶれた父の姿に涙を流す娘。
名優・杉村春子の持ち味が活きるシーンだ。

平山は、そのラーメン屋で海軍時代の部下と再会。
繰り出した先のバーで、敗戦を語り戦時を懐かしむ2人の姿も
そこはかとない侘しさを感じざるを得ない。

師であった者が教え子に、
かつての上官が元部下に、
敬語を使って応対する光景はこの上なく優しく清々しい。
古き日本人がみな心得ていた礼節と思いやりがあふれている。

笠が口にする "シャボン" という言葉。
語源は、ポルトガル語ともスペイン語とも言われるが
今はすっかり死語になってしまった。
その言葉の響きは懐かしく、また、とても美しい。

野球に囲碁。
庶民の日常に溶け込み、ごく普通に身の回りにあった娯楽も
サッカーに押されゲームに飲み込まれて
今や時代遅れの存在となりつつある。
(近頃、"囲碁ガール" なる種族が増殖しているらしいが)

平山の長男の嫁を演じる岡田茉莉子。
彼女の棒読みと言っていい台詞回しには参る。
訛りににも似た棒読みを、逆に
穏やかな人柄を後押しする、味とした笠智衆とは対照的である。

岩下志麻に岸田今日子。
現在、あるいは晩年ではキャラが濃いというイメージの強い女優
本作の頃の若き日々には、さっぱりとした明るさが前面に出ている。

岸田がマダムを務めるバーが、TORYS BARというのも懐かしい。
勿論、TORYS世代ではないものの、名称だけは知っていて
ただそれだけで、善良なる昔に対する郷愁を覚える。

同監督作品の「晩春」と違い
主人公には、同級生や娘の兄弟といった仲間がいることが
却って、娘を嫁に出した父の寂しさを深くしている。

"一人ぼっちか" とつぶやいて軍歌を歌う平山。
台所に佇む平山のラストショット
横を向いた寄りめのカットと
フレームの奥、廊下越しに一人水を飲む姿がたまらなく切ない。
秋刀魚の、喉元に染み入るような苦味が
切なくも優しい時間を紡ぎ出す。

 
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『出張』 [邦画(サ行)]

出張」(1989)★★☆☆50点
監督・脚本: 沖島勲
製作: 神原寛
プロデューサー: 平野克己、尾形充洸、清水一夫
企画: ユートピア研究会
撮影: 大津幸四郎
照明: 岩崎豊
録音: 菊地進平、井上秀司
美術: 大石章二
音楽: 山崎宏
出演:
 石橋蓮司(熊井功)
 松尾嘉代(熊井玲子、功の妻)
 原田芳雄(ゲリラ隊長)
 志賀圭二郎(ゲリラ副隊長)
 鈴木幸嗣(ゲリラ隊員1)
 吉澤健(ゲリラ隊員2)
 松川信(ゲリラ隊員3)
 平窪雅(ゲリラ隊員4)
 外波山文明(ゲリラ隊員5)
 かしば武司(見張り隊員)
 野呂瀬初美(女性隊員)
 常田富士男(タバコ売りの百姓)
 亜湖(飲み屋の女)
 松井千佳(飲み屋の女)
 江藤漢(温泉旅館の番頭)
 竜のり子(女性乗客)
 杉浦正幸(車掌)
 佐藤慶(部長の声)
製作・配給・ジャンル: アーバン21/東映/ドラマ・コメディ/91分

出張 [DVD]








知らず知らずのうちに誘拐の身となる
サラリーマンの悲哀を描いた作品。

ゲリラ、フリーセックスといった要素から、時代が忍ばれる。

社会のシステムに飲み込まれている熊井が
民衆の解放を訴えるゲリラ相手に、
性の解放を説いたり
生涯を会社に捧げるサラリーマンの辛い胸の内を語ったり
と、立場と実態の逆転が面白い。

身代金の交渉では
夫の命より金を心配する妻や会社の本音を知る。
挙句、解放される際には
交渉に当たったゲリラに、
妻が保険金殺人を企んでいる可能性を示唆される始末。

解放され、家の前までたどりつく熊井。
そこへ帰宅する妻は
「あなた。結構早かったのね」
と、まるで普段と変わらぬ会社帰りの夫にかけるような言葉。

帰宅した熊井は、妻から
誘拐された責任を追及され、
会社が肩代わりしてくれた身代金の返済について非難される。
そこには
自分の身を案じたり、無事を喜ぶ姿は微塵もない。

そんな妻の態度も手伝って
タバコの吸殻が山盛りになった灰皿を見ては
ゲリラとの交渉に当たった上司との仲を疑う熊井。

その翌日、会社で謝罪と感謝を言って回る熊井の様子が
早回しで展開されるのは、
無味乾燥として型にはまったサラリーマン社会を
効果的に描き出している。

無事の帰還もそこそこに、再び出張に出された熊井が、
車窓からゲリラたちに送る、喉が張り裂けんばかりのエールは
彼自身も含めて彼を取り巻くすべてに向けた魂の叫びだ。

ただ、製作当時をすでに近くない過去と捉える我々にとって
主題とするサラリーマンの悲哀など
痛烈な風刺ではなく、陳腐な歴史の一知識にすぎない。

石橋蓮司は、熊井をもっと地味でストレートに演じた方が
会社の、社会の歯車にすぎない憂いを醸し出せたように思う。
その意味で、
コミカルを狙わんとついついやってしまう、彼の演技が気になった。

動く小道具にすぎないゲリラ隊長役は、わざわざ
原田芳雄というビッグネームに振る必要はなかったろう。

 
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『Girl's Life』 [邦画(カ行)]

「Girl's Life」(2009)★★★★☆75点
監督:大塚祐吉
製作:山田浩貴
エグゼクティブプロデューサー: 太代眞裕、関浩太郎
プロデューサー: 木下陽介
脚本:水上竜士
撮影監督:大塚祐吉
音楽:野島健太郎
出演:
 桜井莉菜(一之瀬ハルカ)
 加賀美早紀(ミキ)
 石原あつ美(レイ)
 木村栄(松本、キャバクラ店長)
 ぶっちゃあ(ホームレス)
 松田ケイジ(坂本、キャバクラ店長)
 國井麻理亜(沙織)
 凜華せら(チアキ)
 細貝圭(疾風)
 水上竜士(北田)
 神子島みか(秋山ユリエ)
 上ノ宮絵理沙(モデル)
 木村圭作(石田友寛、ブランドショップ店長)
 川本淳市(真坂安男)
 渡辺哲(錦織、社長)
製作配給・ジャンル:フィルムパートナーズ(=GPミュージアムソフト、リンクライツ、コミュニティ・アド)/ドラマ/83分

Girl's Life [DVD]








まず、ホスト・疾風(はやて)との件{くだり}。
まったく面白くもなければ、ストーリー上の意味もない。
劇中、ハルカは彼のことを "見どころある" と判断するが
世の中や周りの人間たちを冷静に見ている彼女が
一体どこでどうなったら、そういう結論を出せるのか。
台本の不備も甚だしい。

よって、ハルカが疾風と出会う伏線ともなっている
最初のキャバクラの話は一切不要。

ハルカが自身のキャバ嬢の才能に気づくのも
二軒目において、
レイとのバトルの中で展開した方がより面白いはずだ。

一軒目のキャバクラで、
一緒に住み込みで働くキャバ嬢との友情は?
店長が首回らなくなって夜逃げするのは分かるが
彼がその前夜に店に現われ、当該のキャバ嬢とダンスを踊る。
そのまた翌朝には、
そのキャバ嬢は風に流れてしまった(風俗に身を落とした)
と、店長はハルカに告げる。
ということは、店長はその彼女にだけ、
店が潰れることを事前に打ち明けたと言うことか。
しかし、それですぐに風俗というのは…
店長に何か借りでもあるのか?
店長と一心同体なら風俗でなく、一緒に夜逃げすればいいことだし。
曖昧な上に、不可解なエピソードであり、
やはり不要と言わざるを得ない。

二軒目のキャバクラにおいては
沙織・店長・レイの存在が欠かせない。

レイが自分のことを、本名の "かすみ" と呼ぶなと要求しながら
自分は、アゲハと呼ばず、 "ハルカ" と呼ぶあたりが嫌味でいい。

ハルカと仲良しになる沙織は
いつも酔っ払った風体で、渡部篤郎ばりに常に揺れている。
「ごめんなさいね、ババアが余計なこと言って」
と、レイの腰巾着に向かって中指を突き立てる姿がいい。
痛快というほどではないが、俄然応援したくなる。

客の中で注目してしまうのは、
自分の店の採用面接でハルカを罵倒し
偶然ハルカの働くキャバクラの客となる石田。
演じる木村圭作の濃いキャラクターがいい。
時折、ドラマでも見かける木村は、
いつも武闘派の役ばかりで
肉体晒してアクションしかしていない印象でつまらない。
だが、傍若無人な彼のキャラも
役にこういった一味違ったひねりがあれば、グッと活きてくる。

ハルカは、ミキとの同居の末に
一緒に会社を辞めないか、と切り出される。
No.1キャバ嬢を目指していたのに
結局、ミキとともにあっさりと辞めてしまうのだが
一度掲げた目標を下ろすだけのモチベーションが
一体全体どこにあったのだろう。
ミキとの友情が為に辞めた、と理解するのが筋なのかもしれないが
それではかなり希薄である。

松井の独特な存在感がなければ
主人公・ハルカのキャラクターはかなり不明確なものに終始し、
その描き方にブレがあることがバレバレだったろう。

ホームレス・ぶっちゃあの存在も
フランクなハルカの性格づけに一役買っている。

松井の本職である読モに落ち着いてから。
そこで起きたかすみことレイとの些細なケンカが元で、
ミキとの友情にも亀裂が生じ、読モの仕事も辞める
というツマラナイ結末が、何とも薄っぺら。
それをストーリーの軽薄さと受けとるか
自分探しをする若者心理を表すシークエンスととるか
観客の手に委ねられる。
私は前者。

ハルカとミキの再会シーン。
ハルカのバックに光を背負わせるショットのあざとさ。
その際にも行われる、
"友好の印" と称して渡す(うまい棒らしき)スナックのやりとりが
陳腐に過ぎて、かなりうっとうしい。
演出センスの低さ、撮影術の未熟さを露呈している。

アル中の雑誌編集員・チアキとミキの掛け合いが最高。
アルコールを断っていた時のミキと
チアキと同じ穴の狢に戻った時のミキのギャップも楽しい。
チアキ役の凜華せらに一票。
元宝ジェンヌ、男役だったというのも納得。

松井以上に、加賀美早紀の存在感が圧倒的。
未だに観ていないからだが
彼女が「プラトニック・セックス」で抜擢された人とは知らなかった。
話題になりすぎると避けてしまう天邪鬼な私の性格が
この才能を見過ごしてきた原因の一つである。
彼女はすでに芸能界を引退してしまったとのこと。
残念で仕方がない。
いずれ戻ってきてくれることを願うばかりなり。

作品を総括するなら、
Vシネの割に、B級に堕ちず最後まで興味深く観ることができる。
全く知らない、あるいは馴染みの薄い俳優ばかりだったが、
脚本や演出の弱さを、キャスティングや俳優陣の演技がカバーし
素人芝居を見せつける安っぽい作品群とは一線を画している。

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道険しくとも [日記]

出演していた公演が終了して、はや一週間あまり。

今回の演目・役どころは
体力的にだけじゃなく、精神的にも非常にしんどいものでした。

稽古後半から何度、頬・舌を噛んだことでしょう。
共演していた後輩からは、
"疲れてる証拠ですよ" と言われました。
つい昨日もまた、
ピザと一緒に舌の裏を思いっきり噛んでしまいました。
まだ疲れが抜け切っていないのでしょうか。
今も、口にするたびに走る痛みを堪えながら
熱いコーヒー啜ってます。

おかげ様で、舞台は
2日目の一回を除いて、すべて完売で
連日補助席が出る盛況ぶり。

ただ、冷静に考えてみなくてはなりません。

劇場のキャパシティが小さかったので
総客席数の9割近くは埋めていたのは
20名以上の出演者の手売り客と、賛助員・招待客だったはずです。

劇団を盛り立てるパブリシティの観点からすれば、
大入りを喜ぶ前に
興行のあり方が実に非効果的であったことを反省すべきでしょう。

しかし、どんな形でも満杯の客席は喜ばしいこと。
そして、芝居を打ち続けないと
劇団のアイデンティティとか何とか言う以前に、
存在自体が忘れられてしまうという、厳しい現実があります。

劇団の存続という組織面と
各俳優の演技という個人面の
両輪がバランスよく回転してはじめて、上を目指せるのです。

これが、金にならない舞台制作の現場。
茨の道ながら、しっかりと前を見据えて頑張りますっ

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集中するとは [日記]

"集中する"

よく聞きますよね。
スポーツしかり、勉強しかり、仕事しかり。

私たちの仕事である演技でも
これは一つの大切なポイントとなります。

稽古場での稽古も、残りわずかとなり
通し稽古という形で、稽古をすることが増えてきます。

出番直前の役者の居方はそれぞれ。
ある女優に、他の俳優から指摘されたことを伝達したら
すごく険のある表情・言い方で迷惑そうに言い返されました。

「怖いなあ。何か怒ってる?」と聞くと
「集中してるんです!」と、またまた怒られました。

話しかける前から、彼女、怖い顔してました。
彼女の心理までは推し量れませんが
それは、"集中してる" のでなく
"思い込みを募らせてる" のだろうなあ、と思いました。

普段の稽古でも
"お願い" と称して、相手役にいろいろ要求します。
自分のやりやすいように相手を動かす
っていうのは、役者が陥りがちな大きな間違い。
自分の思い込み、一人芝居を相手に押し付けるだけなんです。

少し前に、一人で芝居してるってこと指摘しました。
その直後は少し、意識したのでしょう、
よくなったなあと思った瞬間もあったのですが、
すぐに戻るんです、これがね。
本人は分かってないだろうし。
良かれと思って他人の助言を伝達しただけなのに
あんな風にけんもほろろに言い返されたら
もう何も言いません。
勝手にしてくれ、です。

同じ不満を、
今まで彼女と共演した役者から聞いてはいたのですが
目の当たりにすると、キツイし
彼女が可哀想に思えてきます。

芝居の醍醐味、ドラマが起きるか起きないかは、すべて
役者同士がどれだけ会話をしてケミストリーをやり取りできるか。

あの性格治らないかぎり、
彼女は大なり小なり、一人芝居を続けていくんだろうなあ。
それでも、一般のお客さんは騙されてしまうんだけど
あんな姿勢で演技を続けてるかぎりは、ドラマは生まれっこない。
感動も、緊迫感も、恐怖も、切なさも生まれない。
断言できます。

これが分かる俳優って本当に少ないんです。
こんなことを頭で理解せずとも
会話や表情の、素晴らしいキャッチボールができる人がいますが
そういう人がいわゆる天才的な俳優というのではないでしょうか。
ま、めったにお目にかかれませんが。

しかし、分かったからといって
私みたいになかなかできない俳優がほとんど。
でも、分からない人には、絶対にできないことなんです。

で、何が言いたかったかといえば
役者が "集中する" とは、
役柄として相手の台詞や表情を受け取り、役柄として反応できる
精神環境を整えることです。
それは、役でなく本人として、会話をすることと背反しません。
"集中する" には余裕がなくてはなりませんし
視野を狭くして、役だけに入り込んでしまうのは
端的に言えば、気違いです。
人殺し役の俳優は、本当に人を殺さなければ成立しない、
と言うのとまったく同じ理屈です。

その後に、仲のよい子と普通に話していたのを見ると
単に、私が嫌われているということですかね(泣)


ざっくり言って、下手な役者の愚痴でした。
 
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不甲斐なや [日記]

杉浦直樹さんが亡くなりました。

悔しい。
悔しくてたまりません。
脳梗塞で倒れたことは知っていたけれど
先月の入院では
末期がんを宣告されていたそうです。

私の高校の大先輩。

この6月、卒業以来の高校同年会があり
ラグビー部の監督だった先生の紹介で
制作会社の先輩とも会いました。

その折、
「我が校出身の俳優は、杉浦直樹さん以来じゃないか」
と、激励エールを贈られたばかり。

私にとっての杉浦さんは
まず、再放送で観た「岸辺のアルバム」。

門倉を演じて注目を浴びたNHKのTVドラマ「あ・うん」。
ドラマは拝見していませんが
俳優座劇場で故名古屋章さんと共演された
その舞台版が忘れられません。
男の友情に打ち震えました。

「いつかは絶対、この名優と共演するんだ」
と、張り合いにしていただけに
間に合わなかった、自分の実力のなさが情けないかぎりです。

これからの俳優としての努力・成長と
今挑んでいる舞台の稽古に、手を抜かず取り組むことが
至らない後輩ができる、せめてものご供養でしょう。

ご冥福をお祈りいたします。
 
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熱情に生きる [日記]

「……それはラグビーをなめてるからだ。
生きるってことをバカにしてる。
今自分がやっていることをひたむきにやらないで、
この短い人生でいったい何が出来ると思ってんだ」

「……よく考えて見ろ、相手も同じ高校生だ。
同じ歳、同じ背丈、頭の中だってそう変わらんだろ!
それが何で 109 対 0 なんて差がつくんだ。
お前らゼロか、ゼロな人間なのか!
いつ何をやるのもいい加減にして、一生ゼロのまんま終わるのか。
それでいいのか! お前らそれでも男か!
悔しくないのかー! どうなんだー!」

初めて悔しさに感情を露にした生徒たち。

「よーし、よく言った! 俺が必ず勝たせてやる。
そのために、俺はこれからお前たちを殴る!
いいか、殴られた痛みなど三日で消える
だがな、今日の悔しさだけは絶対に忘れるなよ!
森田、頑張れよ!よし、歯を食いしばれ」


これを読んで、画が浮かぶ人は
コアなドラマ好きでなければ、かなり年配の人でしょう。

そう、『スクール・ウォーズ』です。
京都は伏見工業高校ラグビー部とその監督・山口良治をモデルに
作られた80年代の名作ドラマの一つ。

最近不眠症に悩んでいる私ですが
眠れぬ夜長にCSでのその再放送に遭遇。
それが、冒頭に記した最も有名なシーンが出てくる
第8話だったんです。

私も高校3年間、ラグビーボールを追いかけた口です。
スポ根ものだけに、
そこに描かれる人物・ストーリーはストレートですが
絆、友情、そして人としての生き方を教えてくれた作品でした。



久しぶりにこの場面を見ただけで、嗚咽が…
(ザブングル加藤のギャグもここから生まれた?)

この前の回に初登場する「川浜一のワル」こと松村雄基が
東京流れ者♪ を歌いながらケンカするシーンも
鮮明に覚えています。
そして、麻倉未稀が歌う主題歌「ヒーロー」は勿論のこと。

また、キーパーソンの一人であるイソップ
その両親を演じた俳優さんたちは今や私にとても近しい先輩に。
運命を感じさせてくれるドラマになりました。

この6月に、卒業以来ウン十年ぶりに初めて
高校の同年会がありました。
それにタイアップして、前日にラグビー部の同期会も。
外見の変わらないのは、私以外一人くらいのもの。
それ以外のメンバーは…
歳月を感じさせてくれる風貌でした(爆)

監督だった先生は、
その元気さも含めて、あまり変わってなくて嬉しかったなあ。

私たちの期は、創部以来最高の成績で
東海大会でBブロック(東海4県の各2位チーム同士の争い)優勝。
といっても、私はリザーブでしたが(苦笑)

ともあれ、『スクール・ウォーズ』で
少し熱い気持ちを思い出しました。

夜な夜な不眠症と闘いながら、ごっつい戯曲に取り組む日々。
今抱える役柄に対しても、
後悔のないよう、演技を追求しようと誓うのでした。

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『ピエロの赤い鼻』 [洋画(ハ行)]

「ピエロの赤い鼻」(2003)★★★★85点
原題: EFFROYABLES JARDINS
監督: ジャン・ベッケル
製作: ルイ・ベッケル
原作: ミシェル・カン『ピエロの赤い鼻』
脚本: ジャン・ベッケル、ジャン・コスモ、ギョーム・ローラン
撮影: ジャン=マリー・ドルージュ
音楽: ズビグニエフ・プレイスネル
出演: 
 ジャック・ヴィルレ(ジャック・プゼ、教師
 アンドレ・デュソリエ(アンドレ・デサンジ、帽子工)
 ティエリー・レルミット(ティエリー・プレザンス、保険代理人)
 ブノワ・マジメル(エミール・バイユール)
 ヴィクトール・ガリビエ(フェリクス・ジャルビエ)
 シュザンヌ・フロン(マリー・ジャルビエ、フェリクスの妻)
 イザベル・カンディエ(ルイーズ)
 ニナ=パロマ・ポーリー(フランソワーズ、ジャックの娘)
 ダミアン・ジュイユロ(リュシアン、ジャックの息子)
 ベルニー・コラン(ベルント "ゾゾ"、ドイツ兵)
製作・ジャンル: フランスドラマ/95分

ピエロの赤い鼻 [DVD]








サーカス同様
ピエロというだけで、その裏にペーソスを感じてしまうが
この物語もピエロという存在をキーに哀愁の漂う映画となっている。

ストーリーは、二次大戦後のフランスを現在に置き
子どもへの昔語りとして、ドイツ占領下のフランスに時間を遡る。

ピエロを演じるために縁日へ出かける。
仕度をし、車で友人を拾い、会場に着くまでの短い間に
ジャック、アンドレ、ティエリーの人柄・人間関係が分かってしまう。
脚本以上に、俳優陣の人間的魅力と演技力の賜物である。

また、後になって悟ることだが
ジャックの妻が観客に正体を知れないよう、
地味なファッションでその慌ただしいシーンに紛れていることは
観る者にとって大きな幸いである。
(目ざとく気づいてしまった人は残念。人間、時に鈍感こそ幸いということがある)

主役のジャックとアンドレを演じる2人の俳優。
役名と同名だというのも何か運命じみたものを感じる。
また、ジャック・ヴィルレは既に故人だそうだ。
こんな素敵な俳優を50代半ばで奪ってしまうとは
天も罪なことをするものである。

小道具で一つ私の目を引いたのは
冒頭、ジャック一家が乗り込む黄色い小型自動車

Dyna.jpg

その名をパナール・ディナ(Panhard Dyna)58年型。
丸っこい流線型のフォルムがしなやかさと美しさを兼ね備える。
さらには
中央のピラーを軸に前後のドアが外側に開くイカしたデザイン
普段、車と無縁な私でも欲しくなってしまう。

日常のつまらぬ屈辱を恨みに
人の命を奪うかもしれない人質指名を
敵に与して行ってしまう人間がいたという設定も
悲しいかな、現実にもあったにちがいないと思うと恐ろしい。

"生きているかぎり希望がある" と伝える独兵ベルントが
上官に反抗してあっさり命を落とすのは辛い。
銃殺時にベルントの鼻から外れ、
ジャックたちが捕らえられている穴に転がり落ちる赤い付け鼻。
とても重要なアイテムの一つだ。

生前、見張りとしてジャックたちと交流を図るベルントが
小さなアコーディオンを手に口ずさむ主題歌。
シャルル・トレネの "Y'a de la joie(喜びあり)" は
フランス人なら誰でも知っている名曲なのだろう。
赤い鼻とともに、胸をジワッと温めるラストを飾ることになる。

親友のために、
恋愛の駆け引きから身を引き独身を貫くアンドレ。
その友だち想いはいじましくさえ思える。
フランス物だけに、「シラノ・ド・ベルジュラック」を思い出したりした。

優しい人ばかりの間で
ちょっとした冒険から起きてしまった悲劇。
それを乗り越え、生きる喜びを取り戻していく源も
やはりそのあふれんばかりの優しさだったのだ。

オーラスで涙がこみ上げてきた。
息子リュシアンが
感涙を湛えながら父の演技に泣き笑いする姿を目にしては
その涙をこらえ切ることはできない。

決して派手な作品ではないが
秀作と言って差し支えない作品である。


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『悪夢探偵』 [邦画(ア行)]

「悪夢探偵」(2006)★☆☆☆30点
英語題: NIGHTMARE DETECTIVE
監督・脚本・プロデューサー・撮影・美術・編集: 塚本晋也
脚本: 黒木久勝
プロデューサー: 川原伸一、武部由実子
エグゼクティブプロデューサー: 牛山拓二
撮影: 志田貴之
照明: 吉田恵輔
VE: 矢部光宏
録音: 加藤大和
音楽: 石川忠
音響効果: 北田雅也
エンディングテーマ: フジファブリック『蒼い鳥』
VFX: GONZOREVOLUTION
特殊メイク: 織田尚
出演:
 松田龍平(影沼京一 "悪夢探偵")
 hitomi(霧島慶子、刑事)
 安藤政信(若宮、刑事)
 大杉漣(関谷、刑事)
 原田芳雄(大石恵三)
 塚本晋也(ゼロ)
 猪俣ユキ(パンク少女)
 村木仁(肥枝田)
 ふせえり (肥枝田の妻)
製作・配給・ジャンル: ムービーアイ・エンタテインメント、海獣シアター、I&SBBDO/ムービーアイ・エンタテインメント/サスペンス・ミステリー・ホラー/106分

悪夢探偵 スタンダード・エディション [DVD]








原田芳雄出演作品というしか知らず
作品の前に身を置いたので、いろいろ驚きの連続。
一方、お目当ての原田の出演が
冒頭の5分程度だけというのが非常に残念だった。

塚本晋也といえば、「鉄男」というタイトルは浮かぶ。
タイトルはと言ったのは、作品を観ていないからである。
自ら、監督・製作・脚本・撮影・美術・編集・主演を担当するのが
彼の映画作りのスタイルとのこと。
作品の評価の大半が彼一人に返ってくるわけである。
結論から言えば、
彼のスタイルに触れた以外の収穫はなかった。

犠牲者が血まみれで自殺するシーンは目を背けたくなったが
ホラーというより、ミステリーの色合いが強いせいか
このジャンルが大の苦手の私でさえ、怖さを覚えなかった。

夢が現実に反映されるという設定は興味深いし
霧島・影沼ともに、同じゼロを相手に夢を見ているはずなのに
二人が見ている夢が違うのも面白いだけに、
構成以上に中身に目がいかないのが虚しい。

人の夢に入り込めるという影沼の過去やゼロの過去について
その描き方、それをどう背負っているか、
その過去に苦しむ影沼に霧島刑事の共感・同情していくか
いずれの点も中途半端で不明確であるがために
各人が抱える絶望・狂気・哀感が画面のこちらに伝わってこない。

私は hitomi のファンである。
綺麗な顔立ち(張ったエラも含めて)やスタイルはもちろん、
本業の、曲・歌声といった歌手の側面も好きである。
だが演技的には、邪魔にならない以上には評価できない。
刑事という堅いキャラで口にする台詞は、
下手な雰囲気芝居をする俳優に多い語尾伸ばしになっていて
ファンとしては残念至極である。
冒頭、歩いて登場する姿が
まず腰の落ちた半端なモデル歩きでいただけない。

また安藤についても、塚本同様
演技者として認識したのは今回が初めて。
「鉄道員(ぽっぽや)」「さくらん」は観ているのだが
彼のことは全く覚えていない。
北野監督の「キッズ・リターン」でデビューしたそうだから
この映画に出演するまでに10年のキャリアを積んでいたはずだが
演技は下手だし、
藤木直人ほどのソフトな色気もなく魅力も感じられない。

原田芳雄の名がなければ、まず観なかったろう。
たった5分でも、最もリアルで存在感を放っていた気がする。

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涙、涙、涙! [日記]

寺川綾ちゃんが銀メダルを取ったよ~!!!!!!!!!

女子50m背泳。
7位通過から、見事なアルマジロスタートを決めての逆転劇。
ゴールして、綾ちゃんのレーンに2着表示が出た瞬間、
大声で「よしっ!おめでとう!!」と絶叫し涙ぐんでしまった私。


インタビューで、目を真っ赤に涙をこらえきれない綾ちゃん。
その姿を見てまた、もらい泣きしてしまいました。
「やっと取れたメダルなので…
2番で喜んでちゃいけないと思うんですけど…
でも本当に嬉しいです」
喜んでいいんだよっ
思いっきりうれし泣きしていいんだよっ

彼女の素晴らしい泳ぎ、
そして、
常に日本代表になりがら表彰台に届かなかったこの10年間を
ずっと見守ってきました。
本当に自分のことのように嬉しい!

綾ちゃん最高っ
愛してるぜっ
You are the Best!!


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競泳が熱い! [日記]

世界水泳も競泳の決勝が始まって3日目。

北島君は表彰台に上れなかったけど
今日、入江君がやってくれましたっ\ (^o^) /

いつも一歩足りなかった100m背泳で銅メダルを獲得。
同着となった2人の金メダリストにもほんのわずかの差でした。

スタンドで観ていた北島君が
ちっちゃくガッツポーズしたのが微笑ましかったです。


得意の200mでの金メダルが大いに期待できますね。

200mバタフライ準決勝では
怪物フェルプスを抑えて松田丈志選手が1位通過。
明日の決勝が楽しみです。


一方、残念だったのが寺川綾選手。
100mでは今季世界最高タイムを叩き出していますが
今大会は調子が上がらない様子。
決勝にも8位ギリギリでの通過。
決勝は大外でのレースで僅差の5着。
もっと中央寄りのコースで泳げたら勝ってたかも、
と思うと残念でなりません。
10年越しのメダルをまたも逃してしまいました。
涙をこらえてインタビューに答える姿が痛々しかった。

歴代の女子水泳選手で一番好きな選手だけに
何とかメダルを取らせてあげたい!
残る50m背泳に期待しますっ
メダルを取って、来年のロンドンへ弾みをつけて!
おそらくロンドン五輪で引退するだろう彼女の泳ぎにご注目。
綾ちゃん、頑張れ!!

♪そして輝くウルトラソウル


ということで、
私も今日は、初めて3kmを超える距離を泳いできました。
泳ぐ距離は伸びてきたけど、
楽に泳げるようになって、無駄に筋肉を使わないようになったせいか
一度は硬く盛り上がった筋肉が、近頃泳げど泳げどタルタルに…
(といっても、運動不足のプルプル二の腕とは質が違うけどネ)

ただ、泳ぐ目的は
筋肉マンになってモテることとか、健康維持とかでなく
呼吸の為の肺活量確保なので、
筋肉質にならなくても気にはなりません。

一応、気にしてテレビ中継を観てたけど
一流選手、特に日本の代表スイマーたちは
肩幅こそ広く衣紋掛けよろしくイカっていても、
付いている腕や胸の筋肉は必要最小限。
マッチョという形容は当たりませんね。
ウエストあたりはギュッとしぼれていて
入江君の腹筋に至っては、スリムだけど芸術的な割れ方。
ちょっと憧れる。
2ヶ月泳いでも腹の贅肉が落ちる気配の全くない私には
無縁の話に思えるけど、憧れ捨てずにマイペースで。

 
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稀代のワイルドスター堕つ [日記]

サッカー女子W杯優勝の熱もまだまだ冷めやらないけど
私は、原田芳雄さんの訃報にすっかりブルーです。


原田芳雄といえば、やはり「竜馬暗殺」を外せません。
この作品、そして龍馬を演じた俳優・原田芳雄は
深く深く心に刻まれています。
アナーキーでワイルドで、型にはまらない演技が
新鮮でとても衝撃的でした。

近年の作品で言えば
吉田茂を演じた「白洲次郎」、
室生犀星の小説をドラマ化した「火の魚」がよかった。

つい最近も、
江口洋介主演の日本版 "逃亡者" 「逃亡者 RUNAWAY」を
TBSチャンネルの一挙放送で、観直したばかり。

「白洲次郎」の収録・放映が、
彼の大腸がん手術で遅れたこともありました。
それでも、しっかり復帰しカメラの前に立っていた姿は
病気をまったく感じさせないものでした。

だけど、先日
映画の舞台挨拶に車椅子で登場した際の激ヤセぶりは衝撃もの。

"最近ベテラン俳優がよく亡くなる" ことを
行きつけのBARで、マスターや常連さんと話題にしていたのは
ほんのふた月ほど前。
私が "そろそろ原田芳雄がやばいよ" と口にしたことが
間をおかずに現実となってしまったことに後ろめたささえ感じる。
寂しい。寂しすぎる。


「火の魚」は、彼を偲んで
明日(明けて本日)、BSプレミアムで22時から再放送されます。
本作は、遅まきながら私が尾野真千子を認識した作品でもあります
(それ以前にも彼女を観たことはあったけど、印象になかった)。
とってもいいドラマですから、是非ご覧になって
原田芳雄の存在感たっぷりの演技に触れてみてくださいっ

また、8月7日(日)には
同じくBSプレミアムで、22時より映画「父と暮せば」を放映。
この映画は観たことはありませんが
本作は元々、井上ひさしさん原作の有名な舞台で
数多くの俳優たちによって上演されています。


原田芳雄、松田優作、古尾谷雅人。
尊敬と憧憬の絆で結ばれた無頼の戦士たちは
悲しいかな、みな故人となってしまいました。

みんな大好きな俳優さんたちでした。
心よりご冥福をお祈りします。

 
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意志の力 [日記]

日本女子サッカーが世界の頂点に。
メンバー、スタッフの皆さん、おめでとう。
そしてホントにありがとう。


世界標準からすると
かなりフィジカルに劣る日本選手たち。

オリンピックでも
男子に先駆けて好成績を残してきた女子サッカー。
どのシーンにも澤選手がいました。
もう何年トップを走り続けているのでしょうか。
大会で世界の釜本のゴール記録も塗り替えた女傑です。

しかし、世間が今回の女子ワールドカップに注目したのは
最後も最後、ドイツを破った辺りくらいからではないでしょうか。
それまで、日本が予選リーグを突破したことはおろか
W杯が開催されていることすら知らなかったんじゃないかな。

私は試合こそ観ていなかったけれど
もしかしたらグループリーグを1位通過するかもしれない
というニュースを見ながら、
"相変わらず日本サッカーは、女子の方が世界的に上だなあ"
程度の注目でした。

地元ドイツとの対戦が決まっても
地上波では録画中継すらなかったもんね。
結局、日本人は
マスコミがニュースで大きく伝えたり、生中継したりしなければ
関心を示さないって言うのを改めて感じたエピックでした。


多くの皆さんが明け方の生中継を観ていたでしょうが
先行されては追いつく展開だった決勝戦。
延長戦前半、
アビーことワンバックにヘディングシュートを決められた時点で
私は優勝をあきらめ、
"ここまで良く頑張った" と労をねぎらっていたのであります。

それでも、選手たちはあきらめなかった。
"あきらめない"
この言葉が本当に胸に突き刺さる素晴らしい試合でした。
あきらめない気持ちがPKまで導いてくれたんですもんね。

PKまでいったら、逆に
女王アメリカの方がより強いプレッシャーを受けていたでしょう。

アメリカのファーストシュート。
方向の読みは当たったけど、飛びすぎたGK海堀。
それでも決してボールから視線を外さず、
残った右足を伸ばして防ぎました。
その姿からも、"あきらめない" 精神が伝わってきます。

結果的にラストキッカーとなった熊谷選手。
PKに臨む彼女の表情がとても印象的でした。
目は泣き腫らした後のようにうるみ、頬は真っ赤に紅潮。
高い位置を臆せず狙ったシュートは素晴らしかった。


"夢なーんて見るもんじゃない 語るモンじゃなーい
叶えるものだからー"
と、安室ちゃんも歌ってます。

精神一到何事か成らざらん。
幼い頃、父に何度も聞かされた言葉の意味が
ちょっと分かった気がしました。


来週から、上海で世界水泳。
そのひと月後には、韓国で世界陸上。
スポーツの夏が熱い!

 
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アナログ放送終了まであと…日 [日記]

タイトルの文字が、画面の左下にデッカく居座って
テレビの視聴を邪魔しはじめて久しい。

SA380111.jpg
とっくに地デジ化がお済みの人たちには
何のことやら、その存在すら知らないでしょうね。

ブラウン管テレビがぶっ壊れるまで使ってやろう
と決めている私は
先月、地デジチューナーを購入して地デジ化を図りました。

ところが、アンテナレベルは十分なのに
NHKとフジしか映らなかったのです(泣)

仕方ないので、返品して
以前考えていたひかりTVでの視聴に方針転換。
一度は考えていたひかりTV利用をやめたのは
地上波を視聴している時にケーブル系のチャンネルが観られない
(逆も同じ)からなんです。

だけど、
今でもひかりTVで録った映画があふれて観切れていないのだから
地上波、ケーブル系を同時録画することもないでしょう。


さてさて、昨日は
Bフレッツから光ネクストへの回線変更工事をしてもらいました。

ひかりTVでの地デジ化は1年以上前から考えてたけど
工事費体系にすごく不公平さを感じて踏み切れずにいたんです。

光ネクストへの移行が
"引っ越しと同時" or "光回線の初導入" なら、工事費0円なのに
すでに光回線(Bフレッツ)を利用している私は
工事費に3万円以上を支払わなくちゃならないんですよね。

ともあれ、NTTの工事担当者がやってきて
全部配線していってくれました。
配線は自分でやるから、工事費割引してほしいよね。
これからBフレッツ→光ネクストを考えている人のために
NTTさん、ちょっと勉強してあげってちょ。

ひかりTVチューナーの設定変更にちょっと手間取ったけど
何とか地デジ化完了。

地デジ専用チューナーと違い、ひかりTVでは
BSデジタルは、NHKのBS1とBSプレミアムのみ。
ちょっと淋しいけど、まあ我慢しよう。

今にも壊れそうな我が家のブラウン管テレビ。
どれくらいもつか分からないけど
壊れる頃には、テレビの価格ももっと下がっていることを祈りつつ。

 
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新女王誕生! [日記]

シャラポワが7年ぶりにウィンブルドンの頂点を目指した今大会
準決勝まで1セットも落とさずにクヴィトバとの決勝に向った…


先ほど終わった勝負の結果は、クヴィトバに軍配。

優勝は逃したけど
17歳でウィンブルドンを制し
アイドルスターに祭り上げられたシャラポワの復活に
大きな拍手を送りたいです。

2008年秋に肩の手術を受け
正直、彼女は終わった選手かな~なんて思っていた私。
ごめんなさい。

彼女はまだ24歳です。
決勝の客席にも姿を見せたナブラチロワは
30代までトップスターでした。
それを考えたら
まだまだグランドスラム制覇のチャンスはあります。
あと全仏さえ獲れば、キャリアグランドスラムを達成できるしね。


長い間、テニスファンである私が
これまでファンだった選手を思い出してみました。

【男子】
ビヨン・ボルグ(スウェーデン
→イワン・レンドル(チェコ)
→G・イワニセヴィッチ(クロアチア) & P・サンプラス(アメリカ
→ロジャー・フェデラー(スイス)

【女子】
クリス・エバート & マルチナ・ナブラチロワ(どちらもアメリカ)
しばらく空白の時代があって
アランチャ・サンチェス・ビカリオ(スペイン)
そして、現在までかなりの空白。

こうして見ると
男子は、サンプラスを除き
東欧ないし中欧の選手で占められていますね。
一方、女子については
私が心惹かれるプレーをしてくれる選手はあまりいないなあ。

このリストから見えてくる、私が盛り上がるための絶対条件に、
熾烈なライバル関係が挙げられそうです。

ボルグには、コナーズとマッケンローという米国コンビがいました。
レンドルには、ベッカー。
イワニセヴィッチとサンプラスは、長年しのぎを削った者同士。
そしてフェデラーには、ロディックとナダル。

女子も
エバートとナブラチロワは、同国のライバル。
ナブラチロワは
戦後の4大大会最多優勝記録を持つグラフの好敵手でもありました。
それ以外
ビーナス & セリーナ・ウィリアムズの姉妹対決を別にすれば
最高峰でのライバル関係はほとんどないと言っていいでしょう。

有名選手のプロモデル・ラケットが流行った1970年代。
思えば、オークションブームに乗っかって
Bancroft 社のボルグ・プロ、Wilson 社のクリス・エバートあたりを
収集した時期もちょっと前にはあったなあ。
 
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皇帝フェデラー敗れるっ [日記]

ショーック!
テニスの皇帝フェデラーが
準決勝でウィンブルドンの地から姿を消してしまった。


悲しすぎる~
男子シングルスは、準決勝からバッチリ観ようと思っていたのに…

ナダルに凌駕されることの増えたこの2年ほど
かつての勢いはすっかり影を潜め、
準決勝・準々決勝に甘んじることが多いのは否定できない事実。
全英5連覇という、ボルグに並ぶ偉業を達成したこともある皇帝が…

これで、今年のグランドスラムで
彼に残された Winner の席は全米だけ。
グラスコートのウィンブルドンが一番可能性が高かったろうけど
全米はハードコート。
全仏のように、ナダルが得意とするクレーでないのが救い。

フェデラーはもうグランドスラムを獲れない
という世間の定評を何とか覆してほしいっ

 
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タイヤの輪再び [日記]

完全に中年な私。
腰周りにくっついているタイヤの輪が気になります。

以前にもこんな記事を書いたなあ
と思い、遡ってみると
案の定、いくつか見つかりました。

"タイヤの輪を消してやる" だけでなく
"確定申告やらなくちゃ" ってWordも発見。
2年前その記事を書いたのは5月。
今年、確定申告は6月になってもまだ放ったらかし…

確定申告はともかくとして
横から背中にかけての贅肉が問題なのです。

結構痩せても、
つまり、身長176cmの私の場合
60kgくらいになっても、
小さいながらタイヤの輪はしっかり残るのであります。

ほぼベストの体重である65~67kg前後で生活しているこの頃。
タイヤの輪を計ってみました。

83cm。
パンツウェストサイズに等しいわけですが、
確か73cmだったなあ、10年前は。

一方、バストは94cmで、
10年前のサイズとほとんど変わらないのです。

逆三角形は、かなり四角形に近づいてきたわけですね。
ただ、10年前は体重も62kg前後だったし
中年化が進めば多少のウェストが太くなっても仕方ないっかあ。

中年化の道をのぼる時
俳優として、デブキャラの道を選ぶか、体形をキープするか。
これが問題になってきます。
薄味の顔立ち、手脚が長いことを考えたとき
私の選択はやはり、体形キープでした。

つまるところ、体絞るぞってことです。
しかし、今回は以前のように食事制限によるダイエットでなく
舞台の稽古・本番以外はたまにしか行かない水泳でいきます。
でも、続ける為に、無理して泳ぐことは絶対しません。
"ガツガツ" でなく、"気持ちよく" をテーマに
"目指せ!吉永小百合さん"

今回の公演終了後、翌日こそ休みましたが
毎日1~2時間の水泳は続けています。

今日は一番近い公営プールが団体貸切の日なので
別の区まで出張してきました。

半分以上が窓ガラスで覆われた、かまぼこ型の屋内プール。
15時すぎに行ったけど、
天空からは太陽が燦々と降り注ぎ、
少し高台にあるために
疾走する新幹線を程近いところに見ることができる。
とても気持ちよかったあ~

惜しむらくは、
бコースのうち、2コースが
終始、こどもたちの水泳教室で独占されていたことかな。

【本日の満腹時】 体重 67kg B 94cm W 83cm
【水泳距離】 2.3km

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モード変換 [日記]

舞台がハネました。
ご来場いただいたお客様方、ありがとうございました!

稽古開始からほぼ2ヶ月。
長いようであっという間のイベントだったのはいつものこと。

私にとって、千秋楽の一日はとても長いものでした。
朝、家を出ると
(移動)→水泳2時間→(移動)→Warm-up→公演→
(移動)→オーディション→(移動)→打ち上げ→(移動)→
深夜・終電に乗りそびれて帰宅。

酔って帰ったものの、3時半まで眠れなかった。
今日は10時すぎに目覚めたけど、頭がボーッとしてやたら熱い。
二日酔いではないのだが、酔いが残っている証拠。
特に何をするでもなく
日課の水泳もお休みして、のんべんだらり~ん。

早く、舞台の稽古・本番モードから
日常の生活モードに切り替えなくっちゃ。

日々やることは満載なのだから。

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『駆逐艦ベッドフォード作戦』 [洋画(カ行)]

「駆逐艦ベッドフォード作戦」(1965)★★★☆70点
原題: THE BEDFORD INCIDENT
監督: ジェームズ・B・ハリス
製作: リチャード・ウィドマーク 、 ジェームズ・B・ハリス
原作: マーク・ラスコビッチ
脚本: ジェームズ・ポー
撮影: ギルバート・テイラー
音楽: ジェラルド・シャーマン
出演:
 リチャード・ウィドマーク(フィンランダー艦長)
 シドニー・ポワチエ(マンスフォード)
 マーティン・バルサム(ポッター少佐、軍医)
 ジェームズ・マッカーサー(ラルストン少尉)
 エリック・ポートマン(シュレプケ代将)
 ウォーリー・コックス(ケフル)
 マイケル・ケイン(アリソン中佐)
 コリン・メイトランド(ジョーンズ)
 エド・ビショップ(ハッカー大尉)
 ドナルド・サザーランド(ナーネイ医務員)
製作・ジャンル: 米国/戦争・ドラマ/102分

駆遂艦ベッドフォード作戦 [DVD]








メルヴィルの『白鯨』を下敷きにしたこの作品。
冷戦の緊張下、異常なドラマが展開する。

冷戦時代の米国駆逐艦 vs ソ連潜水艦の攻防。
水面下に潜むソ連潜水艦の内実が全く見えず
シュノーケルしか姿を現さないのが無気味であり、
観る者の想像を膨らませる。

真摯なジャーナリズムを貫かんとする黒人従軍記者マンスフォード、
医師としてのプライド回復を求めて服役した軍医ポッター。
この2人の存在が
戦艦ベッドフォードの独裁者フィンランダーの
横暴と執拗に好戦的な性格を浮き立たせる。

予備知識の全くなかった私にとって
結末は衝撃的であり、唐突な幕切れが得も言われぬ感慨を残す。

有能で忠実なラルストン少佐、通信士たちは
ポッターの心配どおり
長すぎる張り詰めた緊張のあまり、ついに精神に破綻をきたす。
それが最後の悲劇につながるのだが
特に、ジェームズ・マッカーサーの端整で誠実に見える顔立ちが
突発的で常軌を逸した行動が周囲に広げる絶望感を
印象的に決定づけている。

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『社長紳士録』 [邦画(サ行)]

「社長紳士録」(1964)★★★☆☆60点
監督: 松林宗恵
製作: 藤本真澄
脚本: 笠原良三
撮影: 西垣六郎
美術: 阿久根厳
録音: 矢ノ口文雄
照明: 西川鶴三
整音: 下永尚
音楽: 山本直純
編集: 岩下広一
出演:
 森繁久彌(小泉礼太郎、大正製袋新社長)
 久慈あさみ(小泉貞子、礼太郎の妻)
 岡田可愛(小泉洋子、礼太郎の娘)
 山本忠司(小泉昭一、礼太郎の息子)
 杉山直(小泉和男、礼太郎の息子)
 小林桂樹(原田勉、秘書課長)
 加東大介(富岡、営業部長)
 三木のり平(猿丸、総務部長)
 司葉子(小沢房代、原田の婚約者)
 左卜全(黒田)
 フランキー堺(日田山隼人、日本澱粉社長)
 草笛光子(京子、"パピヨン" マダム)
 池内淳子(はま勇、芸者)
 中島そのみ(ホステス)
 河津清三郎(中西、赤羽製袋社長)
 ハナ肇("パピヨン" マネージャー)
 塩沢とき
製作・配給・ジャンル: 東宝/東宝/コメディ/95分

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ライバル会社を向こうに回してのドタバタ&森繁社長の色恋騒動。
"社長" シリーズの常套として
本作品もこの2つを軸にストーリーは展開する。

妻・久慈あさみとの夫婦交渉、腰を痛める一件、
うなぎにハブの精力剤などなど
下ネタ絡みの笑いが満載。

どの作品を見ても思うことだが
真剣に下ネタを語る三木のり平は天下一品だ。
"徹子の部屋" などトーク番組では
少々傍若無人で上から目線で物を言う同氏だったが
そういう一面を微塵も感じさせない演技は秀逸と言うほかない。

主たる俳優陣がみな故人となってしまったこのシリーズ。
(草笛光子が唯一健在)
時代が変わり、生活・習慣は変われども、
今なお楽しく笑って観られる東宝娯楽映画は素晴らしい。

森繁が一瞬披露する英語
時代を考えるに、日本人訛りが薄くて大したものである。

中国人に日系アメリカ人など
一癖も二癖もある役どころに扮するフランキー堺。
今回はホモっ気たっぷりの九州男児。
迫られる相手が、女好きの三木というのがまた可笑しい。

はま勇を連れ戻そうと
ホテルの部屋の扉をそっと開ける森繁。
新婚の原田夫妻に言い訳をする姿には思わず破顔一笑。

結末がやや唐突で、拍子抜け。

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光あるうち光の中を歩め [日記]

舞台本番まで2週間を切りました。

忙しさにかまけて
映画備忘録も、紙には書きためているものの
無精から全然UPしていません。

稽古場では4月終わりから風邪にかかる人が出て
出演者たちは代わりばんこに風邪を引いている有様です。

"丸8年、風邪知らず・流感知らず"、などと自慢しながら
年明けにインフルエンザにかかった私は
しっかりこの風邪ももらってしまいました。

思えば、うがい魔を自負していた私。
確かに、今回の稽古が始まってから
何故か、うがいを怠ることが増え、回数も激減していたのです。

いろいろ考えることが多いせいか
普段の思考回路が完全に狂っている。

咳や熱はほとんど出ない、鼻風邪でしたが
それでも、市販の漢方を飲んで毛布布団をかぶると
たっぷり汗をかきました。

でも考えたら
この季節、健康でも
毛布に布団をかぶれば、汗は出るだろうな。

少しでも早く治そうとした試みは功を奏し、2日で鼻声も抜け…

ただ、
だらだらと流れる汗と熱さで意識が朦朧とする中
夜の憂うつにさいなまれながら、幻を見ていました。

************************************
そこに座る君は誰なんだい
いや 僕は君を知っている

君は昔僕が愛した女(ひと)だ
枕元で僕の顔を覗き込む君がいとおしい

ただそばにいてほしい
それだけ

君は遠い昔の憧れ
君は遠い昔の忘れもの


君の視線の先には誰がいるんだい
いや その先には誰もいやしない

君は今を夢見ていた昔の僕だ
虚空をさまよう瞳が切ない

ただ悲しい思いをさせたくはない
それだけ

君は淡い今の憂い
君は淡い今の連れ合い


背を向ける君はどんな顔をしているの
いや それを知る必要などない

君はこれから僕を愛する女(ひと)だ
凛と向こうを見据える後姿が神々しい

ただ少しだけ背中を押してほしい
それだけ

君はちょっと先の未来の光
君はちょっと先の未来の贈りもの


気づけば
僕はその女(ひと)に ロザーナと呼びかけていた
************************************

無意識に、詩とも言える
そんな情景を紡いでいたのです。

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生きる [日記]

皆さんも連日、
東北地方太平洋地震」関連のニュース
見聞きされていることでしょう。

私も、東京の自宅で地震に遭いました。
生きることの意味を自分に問い直しています。

まだまだ余震の続く日々。
被災者の皆さんのいち早い救済と
被災地の復興を祈るばかり。

といってるこの時も、小さな余震を感じています。


長らく更新してなかったのには理由がありますが
機会があれば記すかもしれませんし、そうはしないかもしれません。

基本的には
映画備忘録という本来の形に軸を戻していきますので
またよろしくお願いします。

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体力温存 [日記]

110120_1215~01.jpg

妊娠検査薬??

ではありませんよ。
さて、難でしょう?


遡ること2週間。

その日は
多忙で疲れているところへ
沢山の人と会い、
さらには、43時間起きっぱなし。
こうして重なった悪条件が私を追いやった先は

110120_1216~01.jpg

ピンク色が意味する "インフルエンザ" の刑でした。

思えば、
インフルエンザはもちろん
軽い風邪も含め、最後に病気というものにかかったのは
2002年の12月のこと。

"風邪知らず流感知らずで丸10年"
が遠目ながら視野に入ってきたところだっただけに、
何とも不甲斐ない思いです。

逆に言えば、病気慣れしていない私。
インフルエンザからくる悪寒はきついものでした。
かなり熱いシャワーを浴びてるその瞬間でさえ
ひどい悪寒に何度も襲われ、立っているのもしんどかった。

普通の風邪だと思って、風邪薬を飲むこと4日。
悪寒の割に、熱を感じていなかったのですが
良くなるどころか、むしろ辛くなってきたので
試しに体温計を挟んでみました。
38℃超えてるじゃん。

たまらず、翌日近所の内科へ。
"そんなに熱が高くないから(38℃あるのに!?)普通の風邪でしょう"
お医者さんは、そう言いながらも
"一応、インフルエンザの検査もしましょう"
と付け加え…

その結果が上の写真です。
検査キットは捨てるだけだというので
看護婦のおばちゃんと談笑しながらもらってきちゃいました。

4、5日前にようやく全快して
今始まったばかりのサッカーアジアカップ決勝を見ております。

オーストラリアの準決勝も見たけど
主力のケーヒル、キューウェルは
前半早々にベンチに下がって体力温存。
相手のウズベキスタンが退場で1人少なくなったことも手伝って
主力不在でも6-0で圧勝・楽勝した豪州チーム。

骨折の香川も欠いた日本には厳しい試合になりそうです。
でも、今夜のために私も体力温存してきたんです。
日本の優勝を信じて最後まで応援するっちゃ!

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♪清水港の名物は~お茶の香りと…♪ [日記]

年末に始まり、年が明けて連日
"伊達直人" を名乗る寄付寄贈のニュースが流れてますね。

恵まれない子どもたちを想う
こうした行為は賛辞を送るべきものなんだろうけど、
私は何か釈然としません。

昨年12月
最初の "伊達直人" が現れる少し前から
Yahoo × Gyao で
アニメタイガーマスク」全105話のうち、
20話近くが無料配信されていました。
悪役タイガーが正義の味方に変貌する経緯を描く
最初の5話は特に興味深いストーリーです。

tigermask.jpg

主人公の声を担当したのは
後に「宇宙戦艦ヤマト」の古代進でも人気を博した富山敬さん。
(森功至が代役を務めた回はやっぱり拍子抜けします)

私も子どもの頃、何度目かの再放送を観た記憶があります。
105話もあるなんて知らなくて、ちょっと驚き。

配信時期と符合することを考えるに、
40代男性と見られる最初の "伊達直人" も
その配信映像を観たんじゃないかなって思うんです。
それでもって
子どもの頃憧れたヒーローの姿に
改めて触発されちゃったんじゃないかと推測するのであります。

義侠心の権化のような伊達直人。
"義侠心" の語義そのままに
"強い者をおさえ、弱い者を助ける男だて" をイメージして
梶原一騎が命名したのは明らか。

主人公は
"タイガーマスク=伊達直人" をひた隠しにしただけで
自らは "気障兄ちゃん" として
おおっぴらに、そして "顔の見える" 一人の人間として
孤児たちと裸の付き合いをしました。

匿名で慈善行為をする足長おじさんも勿論
素晴らしいと思います。
自らを名乗らないところに
いかにも心優しき古き日本人の姿さえ重ね合わせます。

ですが
ここ最近話題になる、にわか伊達直人さんたちについて言うなら、
わざわざ有名なアニメキャラクターに扮する心根に
正義のヒーローとして注目を浴び優越感に浸りたいというエゴ、
あるいは、こんな自分ってカッコいいだろっ
という自己陶酔・ナルシズムみたいなものを感じ、
内向きな現代日本人の精神の歪みを見る思いがします。
そんな伊達直人は、全然男だてじゃないよと。

まあ、ランドセル一つも贈れないひねくれ者のたわ言と
打ち捨ててくださいませ。

date.jpg

それにしても
漫画の "伊達直人" はしびれるほどカッコいい。
とにかくカッコよすぎる。

アニメでは、彼が海外に旅立つ形で幕を閉じますが
原作では、車に轢かれそうになった子どもをかばって事故死。
今わの際でさえ、力を振り絞ってタイガーの覆面を川に投げ捨て
最期までタイガーマスクの正体を隠しとおすんです。

ご存じなかった人には
原作コミック、アニメ、どちらでもいいから
是非一度触れてみることをオススメします。

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あけましておめでとうございます [日記]

みなさん、どんなお正月でしたか?

私は年末
まだ全然元の取れていない自転車を盗まれ
12月の不運に駄目押しをされました。

年も変わったので
それを全部吹っ切って、気分新たに
「前へ前へ」。
そう言い続けた明大ラグビー部の亡き名監督・北島忠治さんを
思い出します。
残念ながら、明大は昨日
早大に屈辱的な大敗を喫したけど。

今年も昨年同様
実家そばの神社で、かがり火を見つめた私。

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今年も情熱の火を絶やさぬ一年にしたいもの。
このブログもよろしくお願いしますっ
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星夜ならず [日記]

ずいぶんと更新できなかったなあ。
定期的に覗いてくれてる人には申し訳ありませんでした。

いろいろなことで時間もなく
また疲弊していたといって過言でないのであります。

洗濯機の故障に始まり
配水管清掃時にはジェット噴射が逆流して、床は水浸し。
歯が割れて歯医者通い
おまけに、
11月中に終えているはずの頼まれ仕事が片付かず
つい2,3日前に終わったばかり。

その間に
義理で芝居を観に行ったり
オーディションに出かけたり。

というわけで、映画を見る時間も全くありませんでした。


今日は皆既月食だったんだよね、雲の上では。
北日本の人は見られたのかなあ。
だとしたら、とっても羨ましい。
東京は今も雨音が激しい…

昨日の深夜
窓を開け、タバコをふかしながら空を見上げると
すぐ隣に並んだ北斗七星の輝きを消さんばかりに
満月が煌々と夜空を照らしていました。
キレイだった。

あんな月が皆既月食でかけていく姿を見られたら
ちょっぴり幸せな気分になれただろうに。

年末で、忙しすぎる毎日ですけど
またボチボチやっていきますので、よろしくねっ
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『宇宙人東京に現わる』 [邦画(ア行)]

「宇宙人東京に現わる」(1956)★★★★☆75点
監督: 島耕二
製作: 永田雅一
企画: 中代富士男
原案: 中島源太郎
脚本: 小国英雄
撮影: 渡辺公夫
録音:西井憲一
照明: 久保田行一
美術: 間野重雄
衣裳: 東郷嗣男
音楽: 大森盛太郎
音響効果: 花岡勝次郎
色彩指導: 岡本太郎
特殊技術: 的場徹
編集: 鈴木東陽
出演:
 川崎敬三(磯辺徹、城北天文台研究員)
 山形勲(松田英輔)
 見明凡太朗(小村芳雄、城北天文台研究員)
 南部彰三(磯辺直太郎、徹の父・警察官僚)
 目黒幸子(磯辺徳子、直太郎の妻)
 フランク熊谷(城北天文台通信係)
 河原侃二(高島博士)
 岡村文子(お花)
 永井エミ子(小村多恵子、芳雄の娘)
 小原利之(天野健一)
 平井岐代子(松田清子)
 斎藤紫香(紳士を振った男)
 刈田とよみ(青空ひかり/天野銀子・パイラ人)
 八木沢敏(パイラ人第2号)
 夏木章(パイラ人第3号)
 津田駿二(パイラ人第4号)
 渡辺鉄弥(三吉)
 泉静治(酔客)
 谷謙一(用心棒)
 杉田康(新聞記者)
 花村泰子(芸者)
 原田該(船員)
製作・配給・ジャンル: 大映/大映/特撮・SF/87分

宇宙人東京に現わる [DVD]








日本初の本格的カラー空想特撮映画
特撮は、円谷プロのウルトラ・シリーズを手掛けた的場徹。

侵略性・攻撃性のない円盤、
そして、宇宙道徳なるものを唱える友好的な宇宙人。
対立・戦争が既定ともなる現代の宇宙物の映画に慣れている私には
予想しなかった宇宙人の性格設定であり、
支脈となるそれぞれのドラマの切り口も意外性・多様性に富んでいて
大いに新鮮味を感じた。

"学者が政治家みたいに平気で放言したらエラいことになるわよ"
とは居酒屋・宇宙軒の女将の発言。
庶民の口から、いきなり辛辣な言葉が飛び出す。

岡本太郎がデザインしたと言われるパイラ星人は
星形、あるいはヒトデ型とも言える。
中央の大きな一つ目を人の顔に変えれば
大阪万博のシンボル・太陽の塔の原型とも言える外観をしている。

人間が薄い布を被っているのが丸分かりのパイラ人の衣裳には
やはり稚拙さを感じざるを得ない。
また、地球人に変身する他、潜入法がないと結論づける際には
"地球に入れば地球に従え" という諺が飛び出す。
"郷に入っては郷に従え" のもじりだが、
宇宙人と諺という取り合わせも笑える。

パイラ星人が日本人に変身するシーンも、ごく単純で粗い手法だが
当時の観客にはかなりの衝撃であったことは想像に難くない。

円盤の中では、テレパシーで会話しているパイラ星人が
"地球人の中に入り込むことに成功した" 旨を
指輪型の通信機で交信する時に使うのが、
テレパシーとかパイラ人の言葉でなく、日本語であることは疑問。

指紋のないことを発見し、瞬間移動を目撃。
汗からの微粒子の解析・照合、
超人的なジャンプ力を重力の違いであると分析する。
なかなか細かい部分を詰めた脚本であることが分かり、
それなりの説得力を持つ。

水爆以上の威力を発揮するウリウム元素101。
原水爆の平和的利用と、
ウリウム研究の中止を進言するためにやってきたパイラ星人。
原水爆の保有国は目が覚めにくいから、
真の恐ろしさを知る被爆国日本を選んだと言う。
さらに、たかが日本一国の発言が無力であることも承知だとも。
だが、間もなく地球にアールという星が衝突する事実を告げ
その衝突を避けるために
地球上の全原水爆を放出し、
その星を粉砕あるいは軌道変更する必要性を説く。

一方では
ウリウムの発見者・松田の元には、
武器商人が現れ誘拐・拉致までする。

アール星の大接近を前に
至るところで警報が鳴り、頭巾を被って避難する庶民の姿格好は
空襲警報に逃げ惑う戦時中の日本人さながらである。

原水爆も効かないという新たな問題が発生し
突風・津波・動物の死滅・異常行動、など
アールの接近による天変地異の描写にも枚挙に暇がない。

パイラ人によるウリウム爆弾の投下により
アールが爆発するのをサングラスをして目撃するシーンは、
原爆の成功実験を見届けたロスアラモスの研究員の姿が重なる。

種々の事象が冷戦下の世界情勢を強く揶揄・風刺。
核廃絶を理想とする反核メッセージが強く、説教臭さは否めない。
とはいえ、
想像できるかぎりの科学考証に、
次々に畳み掛ける難題と解決による緊張と緩和。
パイラ星人の行動には最後まで不合理な点があるものの、
半世紀以上前の製作だということを鑑みれば
よく練り込まれた力作と言えよう。

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『シルバラード』 [洋画(サ行)]

「シルバラード」(再)(1985)★★★★☆80点
※(再):私が以前に観たことのある作品
原題: SILVERADO
監督・製作・脚本: ローレンス・カスダン
脚本: マーク・カスダン
製作総指揮: チャールズ・オークン、マイケル・グリロ
撮影: ジョン・ベイリー
音楽: ブルース・ブロートン
美術: アイダ・ランダム
衣装: クリスティ・ジー
出演:
 ケヴィン・クライン(ペイドン)
 スコット・グレン(エメット)
 ケヴィン・コスナー(ジェイク、エメットの弟)
 ダニー・グローヴァー(マル)
 ブライアン・デネヒー(コッブ、保安官)
 リンダ・ハント(ステラ、"ミッドナイトスター" の店主)
 ジェフ・ゴールドブラム(カルビン"スリック")
 リン・ウィットフィールド(レイ、マルの妹)
 ロザンナ・アークェット(ハンナ)
 マービン・J・マッキンタイア(店員)
 ジョン・クリーズ(ラングストン、英国人保安官)
 ビル・サーマン(カーター、酒場の主人)
 オートリー・ウォード(ペイドンの帽子を盗んだ男)
 ジェームズ・ギャモン(ドーソン)
 トロイ・ウォード(バクスター)
 パトリシア・ゴール(ケイト・ホリス、エメットの姉)
 アール・ハインドマン(J・T・ホリス、ケイトの夫)
 トーマス・ウィルソン・ブラウン(オーギー・ホリス、ケイトの息子)
 リチャード・ジェンキンス(ケリー、"ミッドナイトスター" の博打担当)
 レイ・ベイカー(マッケンドリック)
 テッド・ホワイト(ホイト)
 ロス・ローニィ(レッド)
 ジェフ・フェイヒー(タイリー、保安官助手)
 サム・ゴーニー(ガース、保安官助手)
 ケン・ファーマー(カイル、保安官助手)
 アマンダ・ワイス(フィービー)
製作・ジャンル: 米国/西部劇・アクション/133分

シルバラード [DVD]








兄弟に黒人、そして悪党の元仲間
といった具合に立場も様々な心優しき4人のガンマン。
期せずして、組して悪に挑む闘いを描く。

ちょっとやんちゃなエメットの弟に若きK・コスナー。
陽気で溌剌とした青年ガンマンを好演。

K・クライン、S・グレン、D・グローヴァーは
落ち着いた大人の正義漢をそれぞれ渋い魅力で彩っている。

少し謎めいた存在のJ・ゴールドブラムも
脇役ながら、物語にアクセントを与える。

私が特に気に入ったのは
お互いを気遣うステラとペイドンの関係。
人情味たっぷりで、心温まる情景だ。

燃えさかるホリス家の炎をバックに、
コッブがペイドンに向かって歩く。
これは、とても印象的なカット。
効果的に "悪" を演出している。

迫力ある牛の暴走シーンは壮観。

大ボス・コッブとペイドンの対決は
あまりにあっけないが
正々堂々たる1対1の果し合いとは意外だった。

前面に出ては来ないが
R・アークェット扮するハンナとエメットの静かな恋も素敵だ。

出会いと別れ、悪vs正義、家族愛、兄弟愛、復讐、過去の清算。
そして、バラエティに富んだガンファイト。
見どころ満載で観るものを飽きさせないスタイリッシュな西部劇。
流れる音楽も勇壮でかつ現代風。

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『源氏物語 浮舟』 [邦画(カ行)]

「源氏物語 浮舟」(1957)★★★☆70点
監督・脚本: 衣笠貞之助
脚本: 八尋不二
製作: 永田雅一
企画: 辻久一
原作: 北条秀司
撮影: 竹村康和
録音: 大谷巌
照明: 加藤庄之丞
美術: 太田誠一、山中伸吉
音楽: 斎藤一郎
和楽: 中本利生
音響効果: 倉嶋暢
編集: 西田重雄
出演:
 長谷川一夫(薫の君、光源氏の嫡子・大納言)
 山本富士子(浮舟、中の君の妹)
 市川雷蔵(匂宮、皇子)
 乙羽信子(中の君、匂宮の北の方)
 三益愛子(中将、浮舟の母)
 松浦築枝(弁の尼)
 夏目俊二(右近小納言)
 阿井美千子(早蕨、右近の北の方)
 中村玉緒(浮舟の侍従)
 山路義人(時方、匂宮の供人)
 花市辰男(兵部、薫の供人)
 中村鴈治郎(帝)
 浦路洋子(二の宮、皇女)
 柳永二郎(白藤の大臣、蔵人所別当)
 浪花千栄子(浦風、薫の館女房)
 藤間紫(小篠、中の君の館女房)
 大美輝子(山の尾、中の君の館女房)
 朝雲照代(園生、中の君の館女房)
 浜世津子(高瀬、後凉殿の命婦)
 橘公子(山路)
 毛利菊枝(衛門、乳母)
 石原須磨男(桑鴈、薫の君の従者)
 玉置一恵(花鶏、薫の君の従者)
 堀北幸夫(蒿雀、薫の君の従者)
 横山文彦(平鰤、匂宮の従者)
 菊野昌代士(真鯒、匂宮の従者)
 藤川準(匂宮の従者)
 種井信子(若菜、浮舟の侍従)
 小林加奈枝(老婆)
製作・配給・ジャンル: 大映/大映/時代劇・ドラマ/119分

源氏物語 浮舟 [DVD]








源氏物語「宇治十帖」のひとつ "浮舟" を基にした戯曲の映画化。

大映カラーとも呼ばれた総天然色のイーストマン・カラーが
煌びやかで美しい平安の世界を浮かび上がらせている。
とりわけ、夜のシーンが
これほど色鮮やかに描かれているのは貴重である。

源氏物語に詳しくない私には
この作品がどれほど脚色されたものかは全く以って不明だが
日本古代の恋愛事情は至極興味深い。

女性を5人6人囲っていることが普通の殿上人{てんじょうびと}。
その典型ともいえるのが皇子である匂宮{におうのみや}であり、
その中にあって、対照的に誠実を貫く薫の君。

匂宮の所業の犠牲者となる右近小納言。
夫に刺され死を間際にしても
"宮さま" と浮気相手の名前を口にする早蕨。
その相手たる匂宮を斬らんことを薫に告げに行くも諭され
右近は自害の道を選ぶ。
生き恥を晒すことを思えば、
身を切り裂かれんばかりに口惜しかったろう。

匂宮の手つきになるのを恐れて婚前交渉を願い出る浮舟だが、
事情を知らない実直な薫は
自分の一途な想いを告げ、我慢してくれるよう説き伏せてしまう。

"体のつながりなどと言うものは、
心の固いつながりの前には蛍火のように脆く儚いものだ"
説得のため薫が口にする言葉は、
現代ではすっかり過去の遺物のように蔑ろにされている
愛の本質をごく率直に表現している。
しかし悲しいかな、浮舟は
一足違いで、匂宮に慰み物にされてしまう。

帝の意に逆らってまで浮舟への愛を貫き
大納言の官位を返上した薫。
泣き崩れる浮舟を前に
薫は初めて、自死した右近の気持ちを理解する。
先に体を奪ってくれなかったと恨み言を言う浮舟。
薫が強調していた精神のつながりは
肉体関係を前にして、やはり脆いものだった。
何ともやる瀬ない気持ちになった。

匂宮の供人と情を通じる浮舟の侍女役には中村玉緒。
ひたすら可憐な侍従を演じている。

浮舟に扮する山本富士子にはほとんど魅力を感じないが、
それは、単に私の好みでないだけの話かもしれない。
冒頭の東国帰りのお転婆ぶりが
京に暮らしを移した大人の浮舟像に全く繋がってこない。

好色の皇子を
雷蔵が見事、卑怯で嫌な男に仕立て上げている。
平安貴族のメイクに眉をつぶした雷蔵の顔は
軽薄さと不気味さを併せ湛えている。

浮舟の名は、死を覚悟して詠んだ和歌
「橘の小島の色はかはらじを この浮き舟ぞゆくへ知られぬ」
(橘の茂る小島の緑のごとくあなたの心は変わらないかもしれないが、水に浮く小舟のごとき私はどこへ漂ってゆくかも分からない)
に因んでいる。

浮舟は入水自殺を図ったであろう、というところで終幕。
幕に描かれた朝靄に煙る山の情景をバックに
浮舟の名を叫ぶ薫の悲しげな声がクリアにこだまする。
美術や効果に意識を捉われるということがなく
ローテクながらも、当時の技術の緻密さを感じさせた。

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